No | 00068 |
和題(和訳) | 重い精神疾患の当事者に対する地域における社会的介入:最近エビデンスの系統的レビューと質的統合 |
文献情報 | Killaspy H, Harvey C, Brasier C, Brophy L, Ennals P, Fletcher J, Hamilton B: Community-based social interventions for people with severe mental illness: a systematic review and narrative synthesis of recent evidence. World Psychiatry 21(1):96-123, 2022. |
DOI | 10.1002/wps.20940 |
URL | https://doi.org/10.1002/wps.20940 |
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抄録(和訳)
重度の精神疾患を持つ人々は、社会から最も疎外された集団の一つである。彼らの社会的・経済的参加を改善することを目的とした介入は、臨床家、政策立案者、そして重度の精神疾患を持つ人々自身にとって極めて重要である。私たちは、2016年以降に発表された重度の精神疾患当事者への社会的介入に関する文献の系統的レビューを行い、得られた知見を質的統合によって集約した。この分野では心強いほど多くの研究が見つかり、72の論文が導入基準に合致した。半数以上がサービスレベル(援助付き住居、援助付き教育または援助付き雇用)で提供される介入の有効性について報告し、残りは個人を直接対象とした(地域参加、家族介入、ピア主導/ピア支援介入、社会技能訓練)。私たちは、援助付き住居のHousing Firstモデル、援助付き雇用のIndividual Placement and Supportモデル、家族の心理教育について良いエビデンスを確認した。一方で、個人の多様な住居、雇用、家族関連のニーズを満たすために、様々なモデルが必要であるという警鐘をした。また、我々の発見は、文脈的要因の重要性と、他所(海外)から介入を「輸入」する際に地元に適応させる必要性を強調するものであった。私たちは、認知機能障害に対処することで社会的介入(特に援助付き雇用と社会技能訓練)の効果を高める補強戦略は、認知機能の改善にもかかわらず、「実生活」の向上につながらないことも報告した。また、ピア主導/ピア支援介入、リカバリーカレッジ、地域参加を支援する他の介入に関する新たなエビデンスも確認した。私たちは、社会的介入はかなりの利益をもたらすが、間違いなくメンタルヘルス分野で最も複雑であり、その実装を成功させるには、多次元の関係者の協力と投資を必要とすると結論づけた。