重度の精神疾患における雇用状態と就労意欲:観察的横断研究の結果から

No 00061
和題(和訳) 重度の精神疾患における雇用状態と就労意欲:観察的横断研究の結果から
文献情報 Gühne U, Pabst A, Löbner M, Breilmann J, Hasan A, Falkai P, Kilian R, Allgöwer A, Ajayi K, Baumgärtner J, Brieger P, Frasch K, Heres S, Jäger M, Küthmann A, Putzhammer A, Schneeweiß B, Schwarz M, Becker T, Kösters M, Riedel-Heller SG: Employment status and desire for work in severe mental illness: results from an observational, cross-sectional study. Social Psychiatry and Psychiatric Epidemiology, 2021. [Epub ahead of print]
DOI 10.1007/s00127-021-02088-8
URL https://doi.org/10.1007/s00127-021-02088-8
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抄録(和訳)

【目的】

重度の精神疾患を持つ人は、特に職業的排除のリスクが高い。職業リハビリテーションのアプローチの中では、援助付き付き雇用が最も効果的であることが証明されている。援助付き付き雇用プログラムに参加するためには、本人が競争的な雇用を求めることが必要である。本研究の目的は、重度の精神疾患と就労意欲との関係を、潜在的な予測因子も含めて調査することである。

【方法】

本研究は,18~65歳の重度の精神疾患患者(n=397)を対象とした横断的な観察研究である。患者は訓練を受けたスタッフにより、標準化された手段を用いてインタビューを受けた。階層的な二値ロジスティック回帰モデルを用いて、潜在的な予測因子と雇用に対する強い希望との関連について分析した。

【結果】

重度の精神疾患患者の約4分の1(27.9%)のみが競争的雇用に就いていた。さらに他の4分の1は無職であった(25.9%)。半数以上の重度の精神疾患患者が競争的雇用に就くことを強く望んでいることがわかった。また、失業者のうち、3分の2は仕事をすることを強く望んでいた。これらの人々は、援助付き雇用介入に理想的なターゲットグループである。併存する慢性的な身体疾患、診断、および主観的に判断される就労能力は、就労意欲と関連していた。

【結論】

我々のデータは、重度の精神疾患患者が労働市場からかなり排除されていることを確認した。一般に、職場介入のためのケアニーズは満たされておらず、改善の余地が大きいと考えられる。就労状況に加えて、就労意欲を定期的に評価する必要がある。