仕事への復帰:メンタルヘルス不調者におけるindividual placement and support モデルの経験、解釈的現象学的分析

No 00066
和題(和訳) 仕事への復帰:メンタルヘルス不調者におけるindividual placement and support モデルの経験、解釈的現象学的分析
文献情報 Raeside C, McQueen J: Getting back to work: Experiences of the individual placement and support model from those with mental health conditions, an interpretative phenomenological analysis. Work 70(3):973-983, 2021.
DOI 10.3233/WOR-213617
URL https://doi.org/ 10.3233/WOR-213617
無料での
文献入手
不可

抄録(和訳)

【背景】

慢性的な精神疾患を持つ人々が一般雇用を得ることを可能にするindividual placement and support(IPS)の価値については、エビデンスが積み重ねられ続けています。慢性的な精神疾患の人々の多くは働くことを希望しているが、失業率は依然として高い。IPSに関するこれまでの研究は効果に焦点が当てており、個人がIPSや仕事に復帰することをどのように認識し、経験しているかについてはあまり強調していない。

【目的】

本研究では、慢性的な精神疾患を持つ人々が、IPSを通じて仕事を見つけるための支援を受ける際の障壁、実現要因、意味、個人的な経験について調査する。スコットランドの2つのIPSセンターから参加した9名の生活体験に基づく知見は、サービスの強化・発展に役立つと推測される。

【方法】

本研究は、半構造化インタビューと解釈的現象学的分析(IPA)を用いた質的データ収集(分析)であった。

【結果】

記録の分析により、3つの主要テーマが明らかになった:1)「働くことは自分にとって良いことだ」:働くことのポジティブな側面、2)「ローマは一日にして成らず」:時間的制約のない支援付きの旅行、3)「私の内なる批判」:働くことのネガティブな側面。参加者は、自身が認識する職業上の障壁を克服するために、継続的な実践的かつ精神的なサポートを継続的に行っているIPSを高く評価した。

【結論】

有給の雇用は、経済的自由、社会的包摂、自尊心の向上、抑うつ症状の緩和と大きく関連していた。参加者は、就労支援専門員や作業療法士が行う当事者中心で時間に制限のないアプローチを、有給の雇用を維持するための主な要因であるとしていた。不安や仕事に関連したストレスなどの障壁が確認されたが、参加者はこれらの否定的な症状のいくつかを克服するために支援を受けたと感じていた。