No 00073
和題(和訳) 日本における精神障害者の就労定着に影響を与える主観的認識:混合研究法
文献情報 Baba N, Tanimura A, Ishi Y: Subjective perceptions that affect the continued employment of persons with mental disabilities in Japan: A mixed-methods study. Work, 2022. [Epub ahead of print]
DOI 10.3233/WOR-220144
URL https://doi.org/10.3233/WOR-220144
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抄録(和訳)

【背景】

日本では、就労支援を受けているにもかかわらず、精神障害者の50.7%が1年以内に離職している。離職の原因の多くは個人的な理由であるため、彼らの主観的な認識が関係していると思われる。しかし、これまでの就労定着の評価は客観的な指標に基づくものであり、主観的な評価は未発達のままである。

【目的】

精神障害者が就労支援を受けながら仕事を継続する能力に影響を与える主観的特性を明らかにするために、混合法による研究を実施した。

【方法】

仕事を継続している精神障害者41名を対象とし、属性と就労状況に関する質問票およびWorker’s Role Interviewを用いてデータを収集した。さらに、就労定着に関する主観的な認識に関する構成要素を明らかにするために、SCAT(Step for Coding and Theorization)法を用いた。

【結果】

分析の結果、仕事を続ける参加者の現在の仕事の継続と将来に関する主観的な認識について、5つの上位概念と12の下位概念が明らかになった。これらの認識は、参加者の経験や仕事継続の時間経過と関連している可能性がある。難易度に関する主観的認識は、具体的なルールのない合理的配慮および作業概念の影響に関する意識が最も困難なことして指摘されていた。

【結論】

本研究は、精神障害者の主観的なニーズに基づいた就労支援システムの開発を促進し、その結果、精神障害者の就労定着に寄与することができると考えられる。