No | 00077 |
和題(和訳) | 幸福にとって有給の仕事は何を意味するか?自閉症成人の就労の有無による違いと共通点に関するフォーカス・グループ研究 |
文献情報 | Brouwers EPM, Bergijk M, van Weeghel J, Detaille S, Dewinter J: What is the meaning of paid employment for well-being? A focus group study on differences and similarities between autistic adults with and without employment. Journal of Occupational Rehabilitation, 2023. |
DOI | 10.1192/j.eurpsy.2022.2309 |
URL | https://doi.org/10.1007/s10926-023-10136-0 |
無料での 文献入手 |
可能 |
抄録(和訳)
【目的】
本研究の目的は、有給(競争的)仕事で雇用されている自閉症の成人と雇用されていない自閉症成人の主観的ウェルビーイングにおける仕事の意味を検証し、グループ間の相違点と類似点を評価することである。
【方法】
合計64名の自閉症の成人を含む8つのフォーカス・グループを実施した。4つのグループには現在有給(パートタイムを含む)で就労している参加者を、他の4つのグループには有給で就労していない参加者を参加させた。すべての話し合いは録音され、帰納的な主題的内容分析を可能にするために逐語的に書き起こされた。データはATLAS.ti 9を用いて分析した。
【結果】
一般的に、両グループとも、理由は異なるものの、有給雇用は幸福にとって非常に重要であると考えていた。1) 有給雇用がないことは、社会的認知の欠如、それに伴う低い自尊心と関連していた。これのテーマは就労していない参加者で顕著であったた。2) 労働は(精神的な)健康とウェルビーイングに深刻なダメージを与える可能性があり、これは両グループに見られた。3) 有給雇用はウェルビーイングに多くの恩恵をもたらすものであり、「目的」、「社会的接触」、「才能の成長と活用」、「構造と落ち着き」、「収入と自由」というサブテーマがあり、これは有給で雇用されている参加者に優位なテーマであった。
【結論】
両グループとも、理由は異なるものの、自分のウェルビーイングにとって有給雇用が非常に重要であると考えた。しかし、有給雇用は(精神的な)健康と幸福にとって非常に有害である可能性があることも、両グループの一致した意見であった。適切で、十分にサポートされる仕事は、ウェルビーイングにとって重要であり、他の生活領域におけるストレスを緩和するのに役立ち、自閉症の燃え尽きを防ぐ可能性さえある。自閉症者がポジティブなエネルギーを得て、高いウェルビーイングを経験できるような健康的な仕事をどのように作り出せるかについて、より多くの研究が必要である。これは社会経済的不平等の減少にもつながる。