援助付き雇用における「支援予算」:多施設無作為化比較試験での雇用率への影響

No 00055
和題(和訳) 援助付き雇用における「支援予算」:多施設無作為化比較試験での雇用率への影響
文献情報 Rössler W, Kawohl W, Nordt C, Haker H, Rüsch N, Hengartner MP: ‘Placement budgets’ for supported employment: impact on employment rates in a multicentre randomised controlled trial. British Journal of Psychiatry 216(6):308-313, 2020.
DOI 10.1192/bjp.2019.154
URL https://doi.org/10.1192/bjp.2019.154
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抄録(和訳)

【背景】

精神疾患を持つ当事者の(再)就職を目指す最も効果的なリハビリテーションモデルは、援助付き雇用である。標準的なケアに援助付き雇用を導入する際の障壁は、援助付き雇用におけるサービスが一時的とはいえ無制限に提供される点にあり、これは多くのヨーロッパ諸国の保健・社会制度と合致しない点である。

【目的】

競争的な雇用を獲得するまでの求職活動(就労支援)の最大時間予算を事前に設定し、最大時間によって異なる「支援予算(”placement budgets”)」を割り当てた場合の影響を検証すること。

【方法】

116人の参加者を25時間、40時間、または55時間の「支援予算(”placement budgets”)」に無作為に割り付け、intent-to-treat分析を行った。私たちは、24 ヶ月間にわたってIndividual Placement and Support(IPS)モデルを適用し、参加者を 36 ヶ月間追跡した。主要アウトカムは、労働市場における少なくとも3ヵ月間の雇用であった。

【結果】

競争的な雇用に就いた割合は、25時間群で55.1%、40時間群で37.8%、55時間群で35.8%であった。Cox回帰分析では、25時間群では40時間群(ハザード比1.78、95%CI 0.88-3.57、P = 0.107)および55時間群(ハザード比1.74、95%CI 0.86-3.49、P = 0.122)と比較して就職までの時間がわずかに短かったが、統計的には有意ではなかった。就職した参加者の大多数は、最初の12ヵ月以内に就職した(80.4%)。

【結論】

就職や職業紹介に関する支援時間を制限しても、就職成功率には影響しない。現行制度に沿って、(援助付き雇用の)ケア提供(量)の制限をすることは正当な方法に思える、そして(制限をかけることは)援助付き雇用が法定サービスに導入される可能性を高める。