ピアサポーターが運営する就労支援事業者におけるピアサポーターによるIndividual Placement and Supportのアウトカム

No 00071
和題(和訳) ピアサポーターが運営する就労支援事業者におけるピアサポーターによるIndividual Placement and Supportのアウトカム
文献情報 Cook JA, Steigman PJ, Swarbrick M, Burke-Miller JK, Laing TB, Vite L, Jonikas JA, Brown I: Outcomes of peer-provided individual placement and support services in a mental health peer-run vocational program. Psychiatric Services, 2022.
DOI 10.1176/appi.ps.20220134
URL https://doi.org/10.1176/appi.ps.20220134
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抄録(和訳)

【目的】

著者らは、ピアサポーターが運営する機関のスタッフが、Individual Placement and Support(IPS)モデルに忠実にサービスを提供できるかについて調査し、通常の援助付き雇用と比較し、ピアサポーターが提供するIPSが、就労アウトカムや仕事に関連した健康増進にとって、より優れているかについて検証した。

【方法】

ピアサポーターが運営する大規模機関の職業プログラムにおける2チームについて、2015年7月から2017年7月までに渡って調査した。1つのチームは,IPSに加えて就労に焦点を当てた身体的ウェルネス支援とメンタリングを提供するための研修とスーパービジョンを受けた。もう1つのチームは、援助付き雇用サービスを継続して提供した。研究データには、2チームにおける合計348人のクライアント(IPS n=184 vs 対照群 n=164)の職業アウトカム、そして、研究の開始時、中間時点、終了時点におけるIPSフィデリティ調査の結果が含まれた。著者らは、主要アウトカムである就労率について、ランダム効果ロジスティック回帰を用いてモデル化し、年齢、性別、人種、民族性、教育、サービス受給月数を基に作成された傾向スコアで調整した。

【結果】

研修後、IPS群のIPSモデルへの忠実度が高くなり、25か月の観察期間の終わりには「良好な忠実度」を達成した。IPSの参加者のうち43%が就労率を達成したのに対し、対照群の参加者は21%であった(p<0.001)。多変量解析の結果、IPS参加者は対象群に比べ、就労する可能性が有意に高かった(OR=4.06、p<0.001)。

【結論】

精神保健福祉におけるピアサポート人材に、IPSのトレーニングを提供することは、IPSサービスの深刻な不足を解消し、ピアサポーターが運営する機関のサービス利用者における就労アウトカムを高めると考えられる。