米国における人種・民族的に多様な精神障害当事者に対する支援付き雇用に関する研究の活用に関する主要な関係者の視点

No 00072
和題(和訳) 米国における人種・民族的に多様な精神障害当事者に対する支援付き雇用に関する研究の活用に関する主要な関係者の視点
文献情報 Zhen-Duan J, Chary A, NeMoyer A, Fukuda M, Markle SL, Hoyos M, Zhang L, Fuentes L, Pérez G, Jr., Chambers V, Rosenthal J, Mention N, Alegría M: Key stakeholder perspectives on the use of research about supported employment for racially and ethnically diverse patients with mental illness in the United States. Health Services Research Suppl 1:95-104, 2022.
DOI 10.1111/1475-6773.13905
URL https://doi.org/10.1111/1475-6773.13905
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抄録(和訳)

【目的】

関係者が援助付き雇用(職業リハビリテーションなど)に関する研究エビデンスに対してどのように反応したか、また、エビデンスを政策や行動にどのように取り入れることができるかを調査すること。

【データ源】

精神障害当事者、地域の支援者、そして州の政策決定者から、質的データを得た。

【研究計画】

本研究は、2つの段階で構成された。第1に、22人の参加者からなる関係者グループに対して、人種や民族の異なるグループにおいては、雇用状況の改善が教育や所得の改善よりもメンタルヘルスに強い影響を与えるというシミュレーションデータを提示した後、3つのフォーカスグループを実施した。第2に、著者らはフォーカスグループの結果を参考に、これらの知見を政策や実践に反映させるための機会と課題についてより深く理解するために、追加の詳細なインタビュー(n = 19)を実施した。

【データ収集】

フォーカスグループとより詳細なインタビューの内容を録音・逐語録化し、その内容についてテーマ分析を実施した。

【主要知見】

精神障害当事者は、自分自身の人生における雇用のポジティブな影響について説明する一方で、メンタルヘルスの困難を抱える人々のための職場での合理的配慮と社会的支援を増やす必要性を強調した。グループ全体を通じて、援助付き雇用プログラムの提供における公平性を促進するために、言語的(例:スペイン語)・文化的に異なるグループへの対応を強調した。また、参加者は、既存の資源を一元化し、エビデンスに基づくアプローチを用いることが、実施の成功に不可欠であることを強調した。

【結論】

効果的な援助付き雇用プログラムの実施には、対象となる個人の具体的なニーズを満たすことに焦点を当てるべきである。なぜなら、そのようなニーズの多くは、現在の雇用関連のプログラムでは考慮されいなからである。調査知見を使う多様な立場の人からの情報を集めることは、援助付き雇用の実装の可能性を高めるために必要なものを理解することにつながる。援助付き雇用と精神保健の資源を最適化するために、実装と普及の努力は、関係者間の協力と知識の伝達を強化する必要がある。