私は仕事に生きがいについて多くの期待をしていない:重度精神疾患の成人における雇用と幸福との薄い関連性

No 00081
和題(和訳) 私は仕事に生きがいについて多くの期待をしていない:重度精神疾患の成人における雇用と幸福との薄い関連性
文献情報 Nagata S, Yamaguchi S, Tanaka K, Kono S, Tomura T: I do not expect much ikigai from work: A failed link between employment and well-being among adults with serious mental illness. Journal of Vocational Rehabilitation Preprint:1-10, 2024.
DOI 10.3233/JVR-240021
URL https://doi.org/10.3233/JVR-240021
無料での
文献入手
可能

抄録(和訳)

【背景】

研究者たちは、雇用は重度精神疾患当事者のウェルビーイングにプラスに作用すると主張している。しかし、この仮説を支持する実証的研究は限られている。

【目的】

本研究は、重度精神疾患当事者におけるウェルビーイングの重要な側面である人生の意味と目的に関連する就労に対する認識を調査することを目的とした。

【方法】

質的研究デザインを採用した。就労経験のある精神科サービス利用する日本人を対象とした(n=21)。フォト・エリシテーション・インタビューを実施し、インタビューデータをテーマ分析によって分析した。

【結果】

就労が人生の意味や目的の源泉として認識されたのは、それが達成感や社会貢献といった個人の価値観を反映している場合であった。就労が生計を立てるための道具的な活動とみなされる場合は、就労が人生の意味や目的に関連するとは認識されなかった。ただし、参加者は、就労が基本的な欲求を満たし、精神疾患のスティグマを克服するために不可欠であることについて概ね同意していた。

【結論】

本研究の結果は、重度精神疾患当事者の就労に対する考え方が多様であることを示しており、就労がウェルビーイングにわずかな影響しか及ぼさなかった理由を説明しているのかもしれない。